【要約】
「マーケティング」という言葉には気を付けないといけません。
教科書的なマーケティングは大企業向けなので「ひとり起業」には通用しないからです。
例えば、法人同士のビジネスでは業界の共通認識をベースにしてやり取りができますが、個人相手ではどうでしょうか?相手の理解度の違いに着目することが求められます。
ひとり起業の一歩目を踏み出した方なら、こんな経験があるのでは?
「マーケティングを学べば起業もうまくいく!」と思って本を読み、セミナーに参加し、頑張って発信しているのに...
✔ 頑張って発信しても反応がない
✔ お客さまに響かない
✔ 「売れない…なぜ?」と悩む
実は、これはあなたの努力不足ではありません。
「教科書通りのマーケティング」が原因なのです。
私はASICSやアディダスなどで30年間、年間20億円を売り上げてきた経験があります。
しかし、50代でひとり起業を始めたとき、最初の1年は売上ゼロという現実に直面しました。
神戸大学MBAで学んだマーケティング理論が、なぜ通用しないのか?その答えをお伝えします。
なぜ教科書通りにやっても売れないのか?
それは、教科書のマーケティングは大企業用の理論だからです。
特に「B2B(企業と企業の取引)」が前提となっています。
大企業なら広告費に何百万、何千万とかけられます。専門チームがあり、データ分析部門があり、豊富なリソースを投入できる世界の話なのです。
ひとりで起業する人が、同じやり方を真似しても上手くいくはずがありません。
私の企業経験とひとり起業の両方を経験したからこそ見えた、本質的な違いをお話しします。
🔹 B2B(企業同士)の場合
同じ業界の人同士なので、課題や知識レベルが近い状況にあります。
例えば、スポーツ店のバイヤーに「今の時期はランニングブームだから、この商品ラインナップで売り場を構成すると売上が20%向上します」と提案すれば、相手はすぐに理解してくれます。
だから「本質的な提案」を出せば話が進むのです。
相手の会社全体の売上を最大化する戦略を提示し、「ミズノのこの商品はこういう客層に、アディダスはこの客層に、そして私たちのASICSはこの客層をカバーします」という全体最適の提案をすると、「買わざるを得ない」状況を作り出すことができました。
🔹 B2C(個人に売る)の場合
お客さまは専門知識を持っていません。サービス提供側と顧客側の知識レベルや課題認識に大きな差があります。
だから「正しいこと」をそのまま言っても伝わらず、買ってもらえません。この情報格差こそが最大の難しさなのです。
相手がどのレベルで問題を認識しているか、どの程度の理解力があるかを見極めて、それに合わせた伝え方をしなければなりません。
もしこの本質的な違いを理解せずに、マーケティングの教科書通りにやってしまうと...
👉 頑張っても結果が出ない
👉「自分は向いていない」と落ち込む
👉 起業をあきらめてしまう
私自身、最初の1年間はまさにこの状態でした。
会社員時代の成功体験があるだけに、「なぜうまくいかないのか?」という悩みは深刻でした。
解決策は明確です。
「ひとり起業専用マーケティング」を学ぶことです。
大企業用のマーケティング理論ではなく、個人のお客様の心に響く伝え方を身につける必要があります。
相手の立場に立って考えるという原則は同じですが、その深度が全く違います:
法人営業では:相手の会社の戦略を考え、全体最適を提案する
個人営業では:相手の理解レベルを把握し、その人に響く言葉で価値を伝える
例えば:
❌「SNSマーケティングで集客導線を構築し、コンバージョン率を向上させましょう」
⭕「Instagramで投稿しても、なかなかお客様に来てもらえないとお悩みではありませんか?実は、ちょっとした投稿のコツを変えるだけで、『あなたにお願いしたい』と言ってもらえるようになるんです」
この違いこそが、ひとり起業専用のアプローチなのです。
私はMBA×30年の企業実績×ひとり起業の経験から、「最短ルート」を見つけました。
あなたは遠回りをする必要はありません。
教科書通りのマーケティングで悩む時間を、お客様の心に響く本質的なアプローチを学ぶ時間に変えましょう。
SNSでの発信、チラシ、対面セールス、すべてにおいて「この人は何を言われたら自分の問題が解決できると感じるだろうか?」を考え抜くことが大切です。
起業を考える皆さんには、この本質的な違いを理解して、ご自身のビジネスに活かしていただきたいと思います。
相手の立場に立ち、相手にとって最適な提案をする。
この姿勢こそが、持続可能なビジネスを築く土台となるのです。